« 春は行きつ戻りつ | トップページ | 知らなかった »

犬を飼う

 

 

 4月も半ばを過ぎた。さすがに暖かくなったけどもっと嬉しいのは日が長くなったこと、冬がつらいのは寒さではない、寒さなんか家の中にいてストーブのそばに座っていればしのげるのだけど4時を過ぎれば暗くなり、朝も7時を過ぎないと明るくならないというのは気が滅入る。仕事してればいいじゃないかと思うのだが吹雪や曇天が続くと「オレはなんでこんなところにいるんだ」と恨めしい気分になる。

 だから春の嬉しさは日差し、寒さは行きつ戻りつしてじれったくもなるが日足だけは一日一日伸びてくる、6時前にもう朝日が家に差し込むというのは笑い出したくなるほど嬉しいのだ。

 この一カ月いろいろあった。3月の末で急ぎの仕事は決着したのでまず犬を飼う準備をした。ラブ犬が死んだのは去年の12月、今年の冬を長く感じたのは犬がいないせいもあったのか、といってもラブ犬は老いて足腰も弱くなっていたから真冬の散歩は大変だったろう、いいときに死んだのかなという気もする、犬のいない山暮らしは経験なかったけど私まで散歩にも出ず家の中に閉じこもる暮らしが続いたから雪が溶け出したころ「ああ、これはまずいかな」と思った。

 新しい犬は考えて成犬を譲り受けることにした。いろいろな事情があって保護されている犬がいる、ラブ犬もそうだった、それに私だってもう歳には違いない、仔犬は可愛いけど15年経てば老犬になるしそのころには私だっていい爺さんになっている、生きているのかどうかもわからない、だから元気なうちに世話のできる犬がいいと考えた。それで保健所のホームページを見たら収容された犬ではなく里親を探している犬が載っていて連絡してみた。まず会ってみようということでかみさんと出かけて車で2時間ほどの海辺の町、そこは私の生まれ故郷のすぐ近くだった。飼い主は高齢のおばあちゃんでしかも去年の台風で川が氾濫して家が流されたからもう飼えなくなったのだという。9歳の黒犬で柴と何かのミックスだろう、体はそれほど大きくない。歳のわりには元気で丈夫そうで敏捷、仔犬みたいにはしゃぎ回っているからかみさんと一決で譲り受けることにした。里親になるということ。

Img_0174_765x1024


 

 飼い主のおばあちゃんから半年預かっていた訓練士のKさんは情が移っていたのか引き渡すときには泣き出したけど犬も不安だったと思う。山の家に来てまだ1週間だがずいぶん慣れて落ち着いてきた。暗くなると土間に入れ夜も土間の片隅に自分の寝場所を見つけたのでそこに毛布を敷いてやると朝まで丸くなって寝ている。散歩のときはやたら元気だが土間にいるときはお行儀がいい。

 

 犬のいない冬の間に、私は退屈だから庭のモミジの幹に餌台を置いて小鳥たちを餌付けしてみた。数日もするといろいろな鳥が来るようになった。最初はゴジュウカラが来て、コガラやヤマガラも来るようになった。エナガの群れは日に何度も飛んでくるが餌台には来ない、そのうちスズメも来るようになったからモミジの周りはいつも賑やかで、晴れた日の昼にはストーブのそばで雪見酒なんかやってると餌台の野鳥が見える、面白いし飽きない、昔からヤマガラは好きな鳥だったけど最初に来てくれたゴジュウカラが愛着わいてきて毎日眺めていた。餌をまくとどこかで見ているのかすぐに飛んでくるようになり、幹を逆さになって伝い降りてくる様子が面白くて冬の退屈を救ってくれた。

 

 4月に入って畑を天地返し、肥料もあれこれ買ってきて漉き込んだ。去年も一昨年も鹿にやられたから今年は背の高い支柱を立ててネットも二重に張った。去年までは町の仕事が忙しくて週末しか山に帰ってこれなかったかみさんも仕事を整理して山暮らしの日が増えたので、手分けしてあれこれやれば畑仕事もはかどるだろう。ネットを新しく張りなおした畑には小さな保温のハウスを作ってレタスの苗や葉物野菜の種を蒔いたしジャガイモも蒔いた。これから豆類やいろいろな野菜を育てる日が続く。

1024x683


 

 なんだかんだで忙しい日が当分続きそうだ。これは追々、伝えていこうと思っているけど去年の秋に古い牛小屋をただで借りることになり、そこは歩いてもいける場所だが小屋の周りに堰が流れていて川も近い、西の空には低い山並みが続いていて夕陽のきれいな場所、周囲も広々して土地も含めて借りたから少しずつ手を入れているけど何かできないかなと思っている。ただしこれはかみさんの管理になる。屋根のペンキも剥げて錆びだらけ、出入り口も壊れているし床も手入れが必要だけど建物はしっかりしている。おカネはかけずに時間をかけて直せるところから直していくつもりだけど5月にはまず屋根を塗り替えたり出入り口を補修したり床を直したい。

やらなくちゃいけないことはまだまだあって、これも去年の秋にわたしは山の林道拡張に伴って伐採した木を10tトラック4台分も払い下げてもらった。どうやって運ぶんだとみんな呆れているが少しは考えているのだ。いずれチェンソー持ち込んで山積みの原木を切らなければいけないけど手続き踏んで払い下げたのだから慌てなくていい、まあ、今年中の仕事になるかなと思っている。

 

 ただしこういう作業はすべて一銭にもならないから暮らしていくためには収入を確保しなければならない、というよりそっちが大事だろう、ただしうまい話が転がっているわけではないからこちらはこちらで日々、やることだけはやっていくしかないのだろう。そういう事情もケロリと忘れてまた犬を飼いだした。犬はそばにいてくれるだけでいい、山の家に近づくシカやクマを吠えて教えてくれるだけでいい、お互いに支え合う仲間ということで。

 

|

« 春は行きつ戻りつ | トップページ | 知らなかった »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1277216/70296771

この記事へのトラックバック一覧です: 犬を飼う:

« 春は行きつ戻りつ | トップページ | 知らなかった »