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2017年11月

今年いちばん実現したかったこと

 

 わたしは計画倒れの多い人間だ、思いつくことはいろいろあって実現のための筋道を考えるのも好きでああでもないこうでもないと計画に熱中するのだがそのうちにプイと飽きてしまう。べつにいいかと諦めてしまう。鹿を捕らえるためにワナ猟の免許を取ろうという計画もそうだった。目的は鹿肉を食べるためだが近所からどんどん分けてもらえる、鹿は家の周りにいくらでもいる、それを捕らえる猟師もいる、でもどの家も鹿肉には飽きてしまったのか冷凍庫に入りきらないのか、とにかく奥さんが喜ばないから猟師たちは「食べてくれ」といって大きな塊をぶら下げては我が家に来るのだ。

 それを大ざっぱに切り分けて冷凍庫に入れる、我が家にストッカーはないし冷凍庫にはいろいろな野菜も入っているからこれもたちまち置き場所がなくなる、そこで燻製を作る。塩をして丸一日、水に戻して1,2時間、土鍋にヒッコリーを入れてアルミ箔の上で焼く、鹿肉は水気を切ったら黒胡椒をたっぷり刷り込んで土鍋の中で1時間ほど、こんがりとした色の燻製が出来上がる、これが美味しい、どっちかといえばハムのような味なんだけどお酒のつまみには絶品だ、客に出したら「これは美味い」とあちこちに吹聴したらしく、それで余計に猟師は処分に困った鹿肉を我が家に持ち込むことになる、ワナ猟の免許なんかどうでも良くなった。

 

 しかしもう一つ、どうしても実現したいことがあって薪ストーブの総入れ替え。家を建てたときに据え付けた鋳物の薪ストーブはもう24年も使っていて内部はガタガタになっている、着火のときには本体のあちこちから煙が漏れてしまう、もともと知識ゼロ、大工さん任せで購入した薪ストーブはたしか当時の値段が6万円、いまでは同じものがホームセンターで2万円で売られている、そもそもの欠点は本体が小さいので火力が上がらないこと、加えて煙突システムにも問題があった。

 薪ストーブの煙突というのは縦引きが長いほどよく燃える、壁出しのために横引き部分があったとしても縦横の比率は2対1が最低限度、ところが我が家の煙突は2重の玄関をくり貫いて外まで引っ張り、そこから立ち上げているから比率は1対1かそれ以下になってしまう、横引きのほうが長いのだ。すると煤が詰まる、風が強いときには逆流して家の中が煙だらけになる、真冬には週に一度は煙突掃除をしなくちゃいけなくてこれがつらかった。煤が詰まってしまうとワイヤを伸ばしても通らないから全部ばらしてコンコンと叩かなければいけない、その間はもちろんストーブの火を落とすから家の中が冷え切ってしまう、それでも我慢して24年も使い続けたのだからもういいだろう、よし、総入れ替えだと決心したのが春先のこと。何せ薪だけは潤沢にあるのだ、しかも山から運び出した雑木の薪で楢がほとんどになる。せっかくいい薪があるのに燃えないんじゃ宝の持ち腐れじゃないか。

 

 この計画はじっくりと練った、雪が来る前に完成すればいいんだから慌てなくていい、ネットでいろいろなメーカーのストーブや煙突部材を調べ、互換性もチェックし、おカネがないから総予算も20万と決めてありとあらゆる方法を考えた、われながら涙ぐましい努力を重ねたのだ。

 あれこれ調べてみて、一番のネックは煙突システムだとわかった、安上がりに作ろうと思えば10万円以下でも作れるのだがそれだと結局、詰まりやすい煙突になる、ストーブ本体は国内メーカーでも性能のいいのが出ていて熊本のノザキという会社の鋼板ストーブに決めた、これはわりと結論早くて朝の気温がマイナス20度近くまで下がるのだから熱放射が早いストーブがいい、鋳物は熱が長持ちするけど暖まるまで時間がかかる、鋼板は鋳物よりすぐに暖かくなるし吸気調整さえちゃんとやれば火持ちもいいはず。ただしどういうストーブでもとにかく煙突なのだ。

 理想は吹き抜けの土間から真っ直ぐに立ち上がって屋根を抜いてしまうシステム、これだと縦引きだけだから排煙はすごい力になる、ただし床から6メートルもある天井に煙突を突き刺すのは足場を組まなければムリだし棟に近い高さというのは風圧もすごくていろいろ問題がある。そこで考えたのがストーブから真っ直ぐに立ち上げて途中で斜めに延ばして天井に近づけ、そこからまた真っ直ぐに立ち上げるシステム。斜めといっても45度傾斜だから全体がほぼ縦引きになるし棟からも遠くなるし太い梁を足場にして取り付けることができる。全体のイメージが固まったので必要な部材を調べていったら煙突や取り付け部材だけで20万近い金額になるとわかってまた悩む。ハーッ、本体と合わせれば25万か、工事費もかかるしこれはやっぱり厳しいかと溜め息、そしたら市の広報に薪ストーブ助成制度のお知らせが載った。上限10万円で設置費の20パーセント、つまり25万なら5万の助成金が出る、ただし現金じゃなくて市内で使える商品券、それだって助かることは助かるんだから友人の板金屋とその友人の大工さんを呼んで現場を見せながら工事内容を説明する。2人とも「うーん」と唸りつつ「やってみるべ」と格安料金で請け負ってくれた。着工決定!

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こう抜いてみた。まだ部分的に固定の必要な場所があるな。

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さっそく小さな鍋でお燗をつけている。床下には薪をストック。

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栗の一枚板に脚だけつけてテーブルも作った。ただし生乾きの板なので割れが心配。

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屋根からはこう出した。これもまだ仕上げ工事が終わってない。

でも、今年いちばん実現したかったできて嬉しい。

 

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